学費や留学、世界一周の資金がなかなか貯まらず、悩んでいませんか。
アルバイトしているけど、生活費でほとんど無くなってしまう。
短期で100万円貯めようと思っても、日常生活での出費もあると難しいですよね。
そこで今回は、誰でも短期でお金を稼げるアルバイトとして、山小屋の仕事を紹介します。
- 山小屋スタッフ歴3年
- 毎年夏季5ヶ月で100万円以上貯金
この記事では、①山小屋バイトのメリット・デメリットを説明した後、②仕事内容や給与・生活事情、最後に③山小屋の探し方ついて解説していきます。
長期休暇が取れなかったり、自宅から通いで働けるアルバイトを探している人には向いていません。
また、基本的に街から離れているので、都会暮らしに慣れている方には辛いと思いますので、ご了承ください。
ちなみに年齢や性別・能力関係なく働けるのでご安心ください(後に解説)。
そもそも山小屋とは?
山小屋って何?
日帰りでの登山が難しい時や、山頂でご来光や夕日をみたい場合に、登山客が利用する簡易施設です。
見た目はロッジのような建物で、場所は山の麓・中腹・山頂付近など様々。
ロッジや民宿のように、利用客に食事と寝床を提供しています。
メリットとデメリット
では早速、山小屋バイトのメリットとデメリットから見ていきましょう。
メリット
絶景が当たり前
おそらく、山小屋に働きに来るスタッフの大半は、これが目的で来るのではないでしょうか。
山麓小屋はたいてい美しい森に囲まれており、小鳥のさえずりで目覚め、休憩中は森でお散歩や読書。
山頂小屋では毎日、雲海の上で朝日・夕陽・満点の星空を拝む事ができます。
多くの人が絶景のために、わざわざ山を登って来る場所が住居なのですから、絶景が当たり前になるわけです。
まさに、「非現実が日常に」なってしまうんですね。
大自然の中に住むので、もちろん都会の喧騒や人混みとは無縁です。
僕って都会に向いてないかも。。
都会での暮らしに疲れてしまったり、自然に囲まれた生活に憧れている人は、生活環境を見直す良いきっかけになるかも知れません。
お金を貯めやすい
山小屋バイトのもう一つの目的として、貯金がしやすいという大きなメリットがあります。
給与は基本的に日給制で、(小屋にも寄りますが)およそ¥7,000〜¥9,000/日が目安。
一見それほど高くないように見えますが、食費や居住費も含まれているので、給与のほぼ全額を貯金にまわす事ができます。
小屋周辺は街中と違って何もないので、出費だけでなく物欲もなくなります。
人との出会い
山小屋スタッフには、実に様々なバックグラウンドを持つ人がいます。
著名アルピニストはもちろん、登山ガイド、トレラン選手、バックパッカー、芸大生、スノーボーダー、建築デザイナー、フリーランサー、外国人スタッフなど。
(ちなみにここに挙げたのは全て、わたしが勤めている山域の小屋仲間たちです。)
わたしは山小屋での出会いが刺激になり、小屋を営業していないオフシーズンでも、小屋メンバーと一緒に過ごすようになりました。
「主流から外れた人」が集まりやすいので、
そうゆう生き方もあるんだ!
と、普段会わないような「変わった人生」を歩んでいる人たちから、いい刺激や新しいアイデアを貰えますよ♪
アウトドア環境
山にいるので当然、気軽にアウトドアや登山を楽しむ事が出来ます。
休憩中に川でイワナを釣ったり、森の中をトレランしたり、山頂までぷらっと散歩したり。
休日は周辺の山までキャンプや縦走をしに行くことも可能です。
もちろん山小屋によってアクティビティ環境は変わるので、アウトドア目的で行く方は、ロケーションも山小屋選びのポイントにしたいですね。
デメリット
何もなくて不便
大自然の中に住むということは、メリットでもあると同時にデメリットにもなります。
「何もない」ということは、出費はなくなりますが、裏を返せば気軽に買い物に行けないということです。
特に山頂付近や奥地にある小屋だと、スタッフの誰かが街に降りたときに買い出しを頼まないといけません。
山麓の小屋なら最寄りの町になら出やすいですが、都会のようにショッピングモールがあるわけではありません。
休日は友達とお買い物〜!
コンビニないと情緒不安定になる…
というような、街暮らしに慣れている方にはかなり辛いと思います。
シャワー事情
常識が当てはまらないのが、山小屋での生活。
日本百名山のような標高の高い山の山頂付近では、水源を雨水に頼っている小屋がほとんど。
水資源が限られているので、小屋にも寄りますが、基本的にシャワーは数日〜数週間に一回。
近くに川がなく、年中100%雨水に頼っている小屋は、雨が降るまでお風呂に入れないという事も珍しくありません。
わたしが初めてアルバイトの応募をした時は、女性という事もあって「お風呂毎日は入れないですけど大丈夫ですか…?」とかなり心配されました(笑)
ちなみに標高が高いと汗もかかず、また体も順応していくので、慣れたら意外と気になりません。
じゃあ毎日シャワー浴びたい人は、諦めるしかない?
「毎日お風呂に入りたい!」という方、ご安心ください。
山麓〜山の中腹にある山小屋では、近くに枯渇しない川がある場合が多く、ほとんど心配せずにお風呂や洗濯ができます。
でも川の水?汚なくない?
山小屋付近の水源は、ほとんどが「日本の名水」に選ばれるような美しい河川です。
わたしが例年働いている山小屋は、あの「南アル○スの天然水」が採れる山域にあるので、ペットボトルのお水より美味しい天然水が確保できます。
お風呂事情が気になる人は、あらかじめ応募する際に詳細を聞いておきましょう!
食事事情
近くにスーパーが無いということは、手に入る食材も限られるということ。
大抵の山小屋は、食材を含む物資を2週間〜1ヶ月に一回、ヘリコプターで運んでいます。
肉や魚などの冷凍可能な食材や、根菜など日持ちする野菜は常時食べられますが、新鮮な野菜や果物はいつも手に入るとは限りません。
なので、ベジタリアンやヴィーガン、宗教上で食生活に制限がある方は、山小屋選びも慎重にしましょう。
例えば、街に近い山麓の小屋なら、スタッフが定期的に車でも買い出しに行けるので、食事制限は比較的少なくなります。
最近はヴィーガンだけでなく、ムスリムフレンドリーな山小屋も増えてきています。
ただし、基本的にはまかない制(=みんなで食べる)ので、食生活に制限がある人は事前に相談しておきましょう。
出かけるのにも一苦労
休日に街まで出かけたい!という場合も一苦労。
特に山頂小屋の場合、街に出るのにも小屋に帰ってくるのにも半日かかります。
一日では何も出来ないので、山小屋スタッフは連休をとる場合が多いです。
休日を使って、近隣の百名山にチャレンジしたい!
というような、アウトドア大好きな方は楽しめると思いますが、山にずっと籠っていると、街中や海にも行きたくなるもの。
さすがにずっと山は飽きるな〜
という方は、街へのアクセスが比較的容易なロケーションの小屋を選びましょう。
仕事内容
山小屋バイトってどんな事するの?
山小屋も宿泊施設なので、基本的な仕事はロッジや民宿と似ています。
体力や経験がなくても、能力に合わせて分業しているので心配入りませんよ。
受付・売店
宿泊者の受付をしたり、売店で飲み物やグッズ販売をします。
ホテルと違ってカジュアルな接客で大丈夫なので、アルバイト未経験の学生さんでも心配入りません。
清掃
布団を干したり、掃除機・モップがけ、トイレ掃除など、こちらも通常の宿泊施設と変わりません。
調理
宿泊者のための食事を用意します。
基本的に毎日メニューは一緒で、誰でも作れる簡易な食事が多いので、調理経験がなくても問題ありませんよ。
土木・メンテナンス
基本的に男性スタッフに任せられる場合が多いですが、わたしは進んでやっていました。
- 劣化している部分の塗装や修復
- 水道管・浄化槽の点検
- 発電機のオイル交換
- 登山道の整備(倒木や落石のチェック、残雪期の除雪etc.)
など、内容は様々です。
機械の修理など、専門的なことは経験者スタッフに任せられるので、経験がなくても大丈夫です。
歩荷(物資運び)
山小屋ならではの仕事として、歩荷(ぼっか)という物資運びの仕事があります。
昔から男性がやってきた仕事なので、今でも男性スタッフのみに分業している山小屋が多いです。
物資運びはヘリコプターでやるんじゃないの?
なぜヘリコプターを利用している山小屋でも、未だに人力で歩荷をする必要があるかと言うと、ヘリは天候にとても左右されやすいからです。
雨が降ってなくても、風や霧・雲が多いと飛べないんだよね〜
晴れてくれたとしても、他に優先すべき山小屋がある場合、予定日が延期になってしまう事もあります。
パイロットや機体の数にも限りがあるので、連日の悪天候でヘリが飛べていない山域があると、そちらを優先せざるを得ないと言う事ですね。
その為、緊急で必要な物資がある場合(お客さん用の食材など)、スタッフが下山して買い出しに行く必要があるわけです。
ちなみにわたしは男女問わずに色々な仕事がしたかったので、自ら進んで歩荷していました!
ちなみに体力がある人は、つい無理して重量チャレンジしがちですが、将来ヒザや腰を痛める原因になるのでほどほどに!
山小屋FAQ
ここで少しだけ、山小屋で働く前に知っておきたい予備知識を紹介しておきます。
1日の流れ
山では早寝早起きが鉄則!
登山をした事がある人はご存知だと思いますが、山の1日はとても早いです。
山は日の入りが早く、あっという間に暗くなるので、安全上の理由から登山者はみな早い時間帯から行動します。
多くの登山者が日の出とともに出発するので、その分山小屋スタッフも早起きしなければなりません。
電気
電気供給は発電機を使っているので、発電機が起動している時だけ電気が使えるようになっています。
小屋によっては24時間発電機をつけっぱなしにしている所もありますが、発電機の燃料もかなり消費する事になるので、夜間は切っている場合が多いです。
水
先ほども述べましたが、小屋によっては水資源に限りがあります。
年中水が自由に使える小屋に、シーズン途中に(雪解け水がなくなり)川が渇水する小屋、年中雨水頼りの小屋。
雨だけでなく、冬季の降雪量や台風の影響によって、川が枯渇する時期が毎年変わるので、水事情についても事前に調べておきましょう。
電波・ネット環境
昔に比べれば、最近は山中でも電波が通じるようになりましたが、それでも電波が弱いところがほとんど。
docomoやauは比較的つながりやすいですが、softbankはほぼ繋がらないと思った方がいいです。
また、意外と山頂よりも山麓の方が、山に囲まれていて電波が入りにくいため常に圏外だったりします。
一方、近年はWiFiを導入している山小屋も増えてきたので「ネット環境がないと不安!」と言う方は事前に山小屋に問い合わせてみましょう。
まかない
山小屋スタッフって、毎日何食べてるの?
冒頭で「山小屋は食材の制限が多い!」と述べたので、不安に思った方も多いと思いますが、ご安心ください。
山小屋には料理上手も多く、まかないに本気を出している小屋もたくさんあります。
うちの小屋は今シーズン(’21夏)スタッフ3人しか居なかったのですが、全員料理が得意で、まかないに不満はありませんでした。
まかないの為だけにピザ窯持ってきたり、生地から作った餃子や本格インドチキンカレー、蕎麦屋の息子スタッフの天丼など。
お客さんから果物やお肉、お菓子やお酒をいただく事もたくさんあります!
まかない重視で応募するスタッフもいるくらいなので、気になる方は応募の際に聞いてみましょう♪
応募の仕方
山小屋の求人情報は、各小屋のホームページにも記載されていますが、一覧で掲載してくれているサイトがあります。
北海道から九州まであるので、あなたが気になる山域の求人情報を見てみましょう。
働く期間
登山客が少ない冬季は基本的に小屋を閉じてしまうところがほとんどです。
まれに冬季スタッフを募集している小屋(八ヶ岳など)もありますが、大体6月〜10月までの場合が多いです。
短期(1ヶ月以下)から長期(5ヶ月ほど)と期間別に募集しているので、自分が働ける期間で募集している山小屋があるかチェックしてみましょう。
性別や年齢は?
先述したように、多くの山小屋は年齢や性別・能力によって分業しているので、体力や経験はそれほど問題になりません。
どちらかと言うと、人柄ややる気を重視して採用している小屋が多いので、年齢や性別が原因で応募出来ないという事はほぼありません。
実際、60代未経験のスタッフがいる山小屋も珍しくない程です。
求人情報に年齢制限が書いてあっても、意思を伝えれば採用してもらえるケースが多いので、勇気を出して連絡してみましょう!
考慮しておきたいポイント
応募する際には、以下のポイントをチェック✅しておきましょう。
まとめ
山小屋バイトは、未経験者でも短期でお金を貯金できて、やりがいもある仕事です。
大自然に囲まれた生活は、憧れる人が多い反面、物理的な制限もたくさんあるので、誰にでもオススメ出来る仕事ではありません。
ですがもし、あなたが自然が大好きな人で、何か新しいことにチャレンジしながらお金を貯めたいのであれば、絶好のお仕事だと思います。
山小屋での生活・仕事は、街では経験出来ないことばかりで決して無駄にはなりません。
もしあなたが「いつか大自然の中で暮らしてみたい」と思っているのであれば、山小屋でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
あなたの夢の実現を、ぜひ応援しています。
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