海外を一人で旅してみたいけど、治安が怖くていけないという方、多いのではないでしょうか。
欧米やオーストラリアなどの先進国ならまだしも、中南米やアフリカとなると、一気にハードルが高くなります。
それでもツアーじゃなくて、一人旅がしたい!
海外初心者だけど、欧米よりアフリカに行きたい!
そんな悩みを抱える方におすすめなのが、海外ボランティア(ホームステイ)です。
わたしも実際、はじめての海外ひとり旅は、ボランティアをしながらタンザニアを旅しました。
そこで本記事では、海外ボランティアのメリットと魅力を、筆者の体験談をもとに紹介したいと思います。
本記事を読むことで、
- 海外初心者でも、中南米やアフリカを安心して旅する方法
- 海外ボランティア・ホームステイのメリットと魅力
- 筆者の体験談とレビュー(タンザニア)
を知ることができます。
わたしが解説します!
- 大学3年生の時、初めての海外ひとり旅でタンザニアへ
- 計6週間、ホームステイしながらボランティア
- 過去にアフリカ・中南米・中東など40ヵ国をひとり旅
海外ひとり旅に憧れるけど、「一人で海外は怖い」と躊躇している方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
海外ボランティアとは
海外ボランティアとは、NGO団体などが活躍する貧困・環境問題などをかかえる地域に行き、実際に現場で国際協力活動をすることです。
プログラムや地域によって異なりますが、
- ボランティア仲間と共同生活しながら
- 教育・医療・森林保護などのためのボランティアをしつつ
- 現地の文化・生活を体験し、学ぶことができる
というイメージ。
孤児院や学校・農家でボランティアをする代わりに、現地に滞在して旅も楽しめる、ということです。
筆者の場合
わたしが大学生のとき、国際ボランティアに参加した理由はこちらです。
- 中南米かアフリカに行ってみたい
- でも1人で海外に行ったことがない
- ツアーではなくバックパッカースタイルがいい
- 女ひとりでも安全を保証されながら旅がしたい
- 海外ボランティアも興味があった
ひとり旅をしたことがないのに、欧米には興味がなく、中南米やアフリカなどの「未知の世界」にばかり惹かれていました。
そこで思い付いたのが、「何らかの団体のもとにいれば、ある程度の安全・安心は保証される」ということでした。
その手段として選んだのが、国際ボランティア活動への参加だったのです。
メリット
では早速、国際ボランティアのメリット・デメリットを解説します。
安全・安心
もちろん、現場は基本的に「治安が不安定な国」が多いため、100%安全が保証されているわけではありません。
しかし、逆に言えば「個人ではなかなか行けない地域」に行ける、という事でもあります。
ボランティア団体が現地の事情を把握しているので、居住地・活動現場ともに、治安がいい地域のみが選ばれています。
「途上国」はどこも危険!というイメージを持つ方も多いですが、治安が不安定なのは一部の地域です。むしろ「治安に問題がない地域」でないと、ボランティア活動は実施されてないので、安心して下さいね。
文化・生活体験
参加プログラムによって異なりますが、居住地はホームステイまたは寮になります。
特にホームステイの場合、現地の家族といっしょに生活をするので、よりその土地の文化や衣食住について学ぶことができます。
個人の旅行では来ないような、観光地化されていない町や村に住むので、家の周辺を散歩しているだけでも刺激になります。
休日は旅を楽しむ
平日は孤児院や学校で働き、週末はどこかへ旅に行くことが出来ます。
わたしの場合、毎週末どこかの国立公園へ、ルームメイトたちとキャンプやサファリツアーに行っていました。
サファリのような、個人ではかなりお金のかかるアクティビティも、ボランティア仲間がいれば気軽に楽しむことができます。
ボランティアを通して、徐々に現地生活にも慣れてくるので、気づけばひとり旅も出来るようになっています。
国際交流
現地では、世界中からのボランティア仲間との出会いがあります。
国籍・年齢・バックグラウンドも様々で、芯のある人ばかりなので、いい刺激がたくさんもらえます。
もちろん、コミュニケーションは基本的に英語になるので、語学・コミュニケーションスキルが一気に上がります。
ホストファミリーや現地の人とは、現地の言葉でのコミュニケーションが基本になります。わたしは6週間で、スワヒリ語(タンザニアの言語)をかなり話せるようになりました(笑)
通常の旅ではできないような国際体験ができるのも、海外ボランティアの魅力です。
デメリット
お金がかかる
ボランティアと言っても、参加するには費用がかかります。
渡航先・期間によりますが、2週間の滞在でかかる費用は安くても4万円。
アジア圏であれば比較的安くなりますが、渡航先によっては20〜30万円近くかかるところもあります。
また、航空券代も別でかかってくるので、渡航先や期間は予算にあわせて決めましょう。
食文化の違い
通常の旅行でさえ、大きな障壁となる「文化・環境の違い」。
ホームステイとなると、特に食生活に慣れるのに苦労します。
比較的似たような食文化の国であればいいのですが、アフリカともなると日本は衣食住すべてが大きく異なります。
タンザニアでは毎日、揚げバナナに煮込んだバナナ、デザートにもバナナと、一生分のバナナを食べて飽きました(笑)
もちろんホストファミリーも、できるだけ各国のボランティアスタッフが食べやすい料理を作ってくれるのですが、やはり日本食は恋しくなります。
また、日本で生まれ育っていると、衛生面や食べ物との相性が原因で、お腹を壊してしまう人もいます。
渡航先を選ぶ際は、単純に「行ってみたい」という理由だけでなく、「現地で生活できそうか」を考えてから決めるようにしましょう。
水道・電気・インターネット
居住地区や住居にもよりますが、水や電気が自由に使えるとは限りません。
わたしがタンザニアで住んでいたホストファミリーの家は、集落の中では比較的大きく、綺麗な家でしたが、水と電気には制限がありました。
水はタンクに貯めた雨水を利用しているので、シャワーはみんなで節水の協力をして、サッと浴びる程度。
トイレは水洗ではないのでバケツで流し、トイレットペーパーもないので手を使って水で洗っていました。
また、ほぼ毎日停電があり、特に夜間は電気が使用できなくなり、ロウソクを使用するのが常です。
当たり前ですが、インターネット環境(Wi-Fi)はありません。
現地のSIMカードを購入すれば使用できますが、どちらにしろ「何かと不便」ということに変わりはありません。
共同生活
文化の違いは、現地での生活のみならず、同じ家に住むボランティア仲間との共同生活にも大きく影響してきます。
育った国や言語、価値観が違うメンバーとの生活。
シェアハウスでよくあるトラブルと同じように、それぞれの「常識」の違いから、必ずストレスを感じる場面が出てきます。
ボランティアの期間が長ければ長いほど、より柔軟な適応能力が必要になってきます。
文化や言語の障壁を乗り越え、自分の意見をはっきり言える人でなければ、少し辛いかもしれません。
現地での生活
それでは具体的に、現地ではどのような生活を送るのでしょうか。
仕事内容
「海外ボランティア」と一言でいっても、内容は様々。
孤児院・教育・医療・農業はもちろん、環境保護・土木・村落開発など、内容は多岐に渡ります。
渡航先を決める際は、「行きたい国」だけでなく「何がしたいか」も考えてから決定するようにしましょう。
1日の流れ
基本的に、週5日・1日5〜6時間労働なことが多いです。
お昼過ぎまで現場で働き、ホストファミリーと過ごしたり、町へ出かけるという流れ。
先述したように、休日はボランティア仲間たちと観光や旅行で、遠出する人が多いです。
現地で友達を作ったら早速、どこか行きたい場所はあるか、旅のプランを聞いてみましょう。
参加プロジェクトの決め方
もしすでに、行きたい国が決まっているという人は、「国名+海外ボランティア」で検索してみましょう。
ちなみにわたしは、「アフリカか中南米」というザックリした考えしかなかったので、以下のような手順で決めました。
- 海外ボランティア団体を検索
- どの国のプログラムがあるか一覧を見る
- 気になる国について画像検索などをする
- 一番魅力を感じた国を選ぶ
- その国でやりたい活動内容を選ぶ
この方法で、わたしは最終的にタンザニアに行くことに決めました。
主な国際ボランティア団体のリンクを貼っておきますので、参考にしてみてください。
余談「ボランティアについて思うこと」
最後に余談ですが、「海外ボランティアってなんだろう」と深く考えさせられたことがあります。
実は、わたしがタンザニアでボランティアをしているとき、東北大震災がおきました。
ちょうど休日に、海が美しいザンジバルという離島までひとり旅をしに行き、帰ってきたところでした。
夜、ホストファミリーの家に着くやいなや、スウェーデン人のルームメイトが慌てて駆け寄ってきて、こう言うのです。
「日本で何が起きたか知ってる?」
ホストファミリーもボランティアスタッフも、日本の地理は詳しくなく、日本のどこで災害が起きているのかわかりません。
停電のため、テレビもみれず、情報は彼らの「巨大な津波が発生した」という事実のみ。
わたしの実家は、窓の外にすぐ海が見えるほど、目の前が海岸になっています。
慌てて実家に国際電話をし、家族の無事を確認しましたが、父はこう言いました。
「うちは大丈夫だけど、東北はもうすでに何千人も死んでいるよ。」
翌日、ホストファミリーの家に電気が戻り、テレビをつけると、そこには信じられないような映像が流れていました。
オモチャのように津波に飲み込まれていく、車や家や人々。
ただ泣くしかできない自分に無力さを感じ、涙を流しながらこう思いました。
「わたし、こんなところで何やってるんだろう。」
世界中には、「今日を生き延びれるか」という、過酷な環境で暮らしている人が数多くいて、彼らは誰かの助けを必要としています。
しかし、今回わたしが一番身にしみて感じたのは
「自分の国や家族が危機にさらされている時に、遠く離れたところで”他人”を助けている場合なのか」
ということでした。
もちろん、生活に困窮している人がいる限り、国際支援活動は必要です。
しかし、一番大切なのは「できる限り大切な人たちのそばにいること」だと学んだのです。
本当は、ザンジバル島への旅から戻ったら、キリマンジャロ登頂ツアーの申し込みをしていたのですが、とてもそんな気分にはなれず、キャンセルしました。
「自分の娯楽のためにお金使うくらいなら、支援金に回そう」と。
それでも、海外ボランティアが貴重な経験になることに変わりはありません。
普通の旅ではできない人生経験を、皆さんにもぜひ体験していただければと思います。
まとめ
本記事では、海外ボランティアのメリットや魅力について解説しました。
国際ボランティアは、海外一人旅・バックパッカーデビューに最適な手段になります。
わたしが今まで、世界中を旅してさまざまな体験ができているのも、タンザニアでの経験が大きく影響していると言えます。
もしあなたがまだ、「海外に行きたいけど怖い」と悩んでいるのであれば、ぜひ国際ボランティアに挑戦してみてください。
この記事が、あなたの海外ひとり旅デビューのきっかけとなれれば幸いです。
あなたの人生がより豊かになるよう、応援しています!
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