1人でキャンプデビューしたいけど、何から始めたらいいかわからず、困っていませんか?
道具の種類も多いし、一人で出来るか不安だし、テント泊は何かとハードルが高いですよね。
そこで本記事では、キャンプ初心者がまず揃えるべき道具・ノウハウを、女性山小屋スタッフである筆者が解説します。
わたしが解説します!
- 山小屋(3,000m級)スタッフ歴3年
- テント泊で全国各地の山を縦走経験あり
- 海外ロングトレイルを一人旅(ネパール6週間・ペルー5週間など)
- 6,000m級3座を踏破した山ガール
本記事を読むことで、キャンプ初心者が踏むべきステップがわかり、誰でも一人でテント泊デビューができるようになります。
ソロキャンプに興味があるけど、ハードルが高くてなかなか始められないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
まず揃えたい道具
近年のキャンプブームもあり、ますます種類が増えてきているキャンプ用品。
初心者にとっては、種類が多過ぎて、何から買えばいいのかわかりませんよね。
まずは全て揃えようとせず、必要最低限の道具だけ用意し、慣れてきたら徐々にいろいろなキャンプ用品を買い足していきましょう。
ここでは、他社商品と比較した結果、わたしが実際に愛用している商品を紹介します。
バックパック・ザック
ブランドやサイズ、機能もさまざまで、どれを買うべきか迷ってしまいますが、バックパック選びで一番重要なのは「自分の体にフィットして背負いやすいか」です。
どんなに多機能で評判のバックパックを買っても、フィットしていなければ体への負担も大きく、すぐに体力を消耗してしまいます。
いきなり通販で買うよりも、店舗でいろいろなバックパックを実際に背負ってみて、背負い心地を確認することを推奨します。
- ザ・ノースフェイス(The North Face)
- モンベル(Montbell)
- コロンビア(Columbia)
- グレゴリー(Gregory)
- オスプレー(Osprey)
- カリマー(Karrimor)
- ドイター(Deuter)
- ミレー(Millet)
容量に関しては、ソロキャンプでは50〜60リットルのものがオススメです。
あまり大きすぎても、空いたスペースに余分な荷物を詰め込んでしまい、重量オーバーになってしまいがち。
持ち物の量や自分の体力にあわせて、程よいサイズのものを選びましょう。
ちなみにわたしが愛用しているのは、こちらの2種類。
- オスプレー/atmos AG 50
- The North Face/テラ55
テント
ソロキャンプであれば1人用テントでも良いですが、かなり狭いので、あくまで「寝場所」という感じになります。
もし縦走登山など、軽量化重視ではなく、居住性をあげてキャンプそのものを楽しみたいのであれば、2人用がオススメです。
- 耐久性
- 重さ
- 居住性(広さ)
- 自立式/非自立式
2人用だと重量は増えますが、最近はどのメーカーの商品も軽量かつ耐久性に優れたものばかりなので、2kg前後であればそれほど重さは気になりません。
ちなみにわたしが愛用しているのは、MSRのHubba Hubba NX。
耐久性・居住性・軽さ・組み立てやすさ・デザインの点で、一番納得がいく商品だったのでこれに決定しました。
少し値は張っても、下手に安いものを買うよりかは、頑丈で長年使えるものに初期投資することをオススメします。
ちなみに、日本で一番人気なのは、コストパフォーマンスがダントツに良いモンベル(montbell)。
予算は少ないけど、耐久性・居住性・重量どれも優れたものがいいという方は、モンベルのテントが安心です。
また、3シーズン/4シーズン用とありますが、雪山登山・冬キャンプ等をしないのであれば、3シーズン用(春〜秋)で構いません。
ちなみに4シーズン用だと、保温性のために厚手の素材を使用している分、重量も増えます。
自立式・非自立式に関しては、こちらの記事がわかりやすく解説しているので、ご参照ください。
寝袋(シュラフ)
ふだん寝心地のいいベッドで寝ていると、いきなりのテント泊はなかなか寝つきにくいもの。
寝袋の質が、寝心地や翌日の疲れに大きく影響します。
無名ブランドのものだと、コストは抑えられても、寝心地が悪くかなり嵩張るので、テントと同じく寝袋にはある程度投資しましょう。
- 保温性・温度
- 寝心地・収縮性
- 重さ・体積
わたしは、コストパフォーマンスの良さから、モンベルのスパイラルダウンハガーを長年愛用しています。
値段も他大手メーカーより安く、何より収縮性・保温性に優れているため、羽毛布団につつまれているように寝心地がいいです。
また、どの寝袋も「使用温度域(快適に眠れる気温)」別にラインナップされています。
地域・標高にもよりますが、日本で春〜秋に使用するのであれば、「コンフォート温度」が0度前後のもので十分です。
ウレタンマット
テント泊では、寝袋の下に敷くマットも必需品です。
寝袋だけでは地面がかたくて寝心地が悪いのと、何より気温が下がると、地面の温度が直に体に伝わり、どんなに保温性の高い袋でも体が冷えてしまうからです。
わたしが実際に使用しているのは、キャプテンスタッグのこちら。
気温の下がる時期は、寝袋とウレタンマットの間にこのようなエアマットレスを入れ、体温の低下を防ぎます。
ウレタンマット単体よりも柔らかく、寝心地もグンとアップするのでオススメです。
靴・サンダル
キャンプ場のみの利用であれば、履き慣れたスニーカーで十分ですが、登山をするのであれば登山靴が必要になります。
本格的な登山靴でなくて良いので、いろいろなトレッキングシューズを実際に試着してみて、履きやすいものを選びましょう。
特に、フィットしていないブーツでの登山は、靴ずれや疲労の原因となってしまうので、デザインだけで選ばない方が良いです。
ちなみにわたしは、履き心地のよいKEENのブーツを使用しています。
また、キャンプ場ではサンダル(もしくはクロックス)があると便利です。
テントに出入りするたびに登山靴を着脱するのは面倒ですし、疲れた足を開放してあげるためにも、サンダルの持参を推奨します。
ウォーターボトル
登山だけでなく、キャンプにもウォーターボトル(水筒)は必須です。
飲み水・料理・歯磨きなど、水が必要な場面はたくさんあります。
そのたびに水場とテントを往復しなくてもいいように、一度にたくさん水を蓄えておけるようなタンブラーを用意しましょう。
サイズは750ml〜1Lぐらいがオススメ。
また、使用していない時にコンパクトに収納できる、このようなウォーターバッグがあると、荷物もかさばらないのでオススメです。
食材
キャンプといえば、コーヒーを入れたり、バーナーを使って料理をしたりするのが醍醐味ですよね。
ですが、最初は全部やろうとせず、まずはレトルトやフリーズドライ・コンビニのご飯で済ませることをお勧めします。
なぜなら、最初のうちはどうしても荷物が嵩張ってしまったり、不慣れのために手こずってしまいがちだからです。
キャンプ場では大抵、お湯の販売もしているので、自分でお湯を沸かさなくても、レトルトやインスタント食品を楽しむことができます。
むしろ、レトルト・インスタント食品やコンビニを利用したほうが、バリエーションも豊富で選んでいるだけで楽しいです。
ちなみにわたしは、コーヒー器具を入れるスペースがない場合、お湯を注ぐだけのドリップコーヒーを持参しています。最近の商品はどれも美味しいですし、何より荷物が減るのでオススメです!
もし荷物に余裕があれば、魔法瓶を持っていくと、テントの中で簡単な調理ができるので便利です。
また、大抵のキャンプ場や山小屋は、レストラン営業もやっているので、そちらをメインにすれば荷物をさらに減らすことができます。
そしてキャンプに慣れてきたら、バーナーや調理器具を買って、自分で調理を楽しめるようにしましょう!
ヘッドランプ・ランタン
当たり前ですが、キャンプ場周辺は夜間まっくらになります。
歯磨きやトイレなどに出るときも、安全に歩けるようにヘッドランプを用意しましょう。
また、テントに吊せるLEDランタンがあると、夜間も快適にテント内で過ごすことができます。
USBケーブルで充電でき、またモバイルバッテリーとしても使えるので、いざというときのスマホの充電にも使えて便利です。
衣類
山麓や湖畔のキャンプ場を使う場合はそれほど心配いりませんが、山中では衣類のパフォーマンスが疲労や命の危険性に大きく影響してきます。
特に防水・速乾性がないと、雨や汗で体を冷やしてしまうので危険です。
登山・トレッキングも楽しむのであれば、アウトドア用品専門メーカーのアパレルを買ったほうがよいでしょう。
また、体が冷えた場合にすぐに着替えられるように、予備のインナーや下着は用意しておきましょう。
- アウター
- インナー
- 靴下・下着
- タオル
- 雨具
- 帽子
充電器
場所にもよりますが、山中や森の中は電波が弱いため、街の何倍も速くスマホの電池を消耗します。
また、気温差も激しいため、写真を撮っている間に電池がなくなっているということもしばしば。
電話を使わない時は、フライトモードに設定して電池の浪費を防ぎ、またいざという時のためにモバイルバッテリーも持参しておきましょう。
防水バッグ
衣類の収納は、100均で売っている圧縮袋などでもかまいませんが、耐久性がなくすぐに破損してしまいます。
防水・圧縮・耐久性ともに優れた、このようなドライサックを使用しましょう。
衣類・食料など、内容別にバッグの色を分けると、パッと見て中身がわかるので便利です。
わたしは上記のSEA TO SUMMITのものを使用していますが、もし予算がないのであれば、似た商品を売っている100均もあるので探してみましょう。
その他アメニティ
その他、日用品や常備薬も持っていきましょう。
- 歯ブラシ
- ウェットティッシュ
- 常備薬・救急セット
- 日焼け止め
- 虫除けスプレー
- 生理用品
大きなキャンプ場や山小屋であれば、アメニティを販売している場所もありますが、山中では水場が近くにない場合もあります。
ウェットティッシュやトイレットペーパーなどがあると、手洗いや食器洗いもテントから移動せずにできるので便利です。
暇つぶしアイテム
「ソロキャンプって何してるの?」と思う方も多いと思います。
早く到着したけど、意外とやることがない…
キャンプの楽しみ方は人それぞれですが、せっかく街の喧騒から離れているのですから、自然の中ならではの暇つぶしを堪能しましょう。
- 周辺の森を散歩
- 写真を撮る
- キャンプ場・山小屋グルメを堪能
- 他のキャンパーと話す
- コーヒー・お酒を楽しむ
- 読書
- スケッチ
また、慣れてきたら釣竿を持ってきてイワナなどを釣ったり、焚き火をたいたり、ハンモックをもってきて木陰でお昼寝なども楽しめます。
あなたが自然の中でしてみたい事を考え、必要なものを持ち物に加えましょう。
道具選びのポイント
持ち物は最小限に
初めてのキャンプとなると、つい色々な道具をそろえてたくなってしまうもの。
美味しいものが食べたくて、調理道具を多めにもってきてしまったり、快適性を求めてハンモックやイスなども持って行きたくなりますよね。
しかし、荷物の量や重さの感覚がわかっていないうちは、必要最小限のものだけをパッキングしましょう。
最小限の荷物だけでも、意外とバックパックがいっぱいになったり、背負ってみると重いことに気づきます。
安物ばかり買わない
必要最低限のキャンプギアだけでも、買い揃えるとかなりの出費になります。
しかし、だからといって安物だけで揃えるのはオススメできません。
特に山でのテント泊の場合、衣類や寝袋、テントのパフォーマンスは、命に関わる場合もあります。
突然の悪天候にあった場合、これらの保温性・防水性・耐久性が弱いと、低体温症になることさえあります。
水筒や小物類は安いものでも特に問題ありませんが、テントなどメインになる道具は、ある程度値が張っても信頼できるメーカーのものを購入しましょう。
キャンプデビューのステップ
ギアを揃えたら、以下の手順で計画を立てましょう。
- 場所を選ぶ
- アクセス方法チェック
- キャンプサイトの予約
場所えらび
道具だけそろえても、実際に山の中でテントの組み立てや食事をするのは、想像以上にむずかしく、時間がかかります。
いきなり山中のキャンプ場にいくのではなく、以下のようにステップを踏んで慣れていきましょう。
- 街に近いキャンプ場
- 車・バスでアクセスできるテント場
- 山中にあるテント場
はじめのうちは、忘れ物をしたり、重い荷物をもって長距離歩くことに慣れていません。
なので、物販が充実しているオートキャンプ場や、車やバスでアクセス可能な山小屋のテント場を利用することをオススメします。
アクセスしやすい、筆者オススメのキャンプ場はこちら!
- 青苔荘(白駒池/北八ヶ岳)
- 本栖湖・山中湖(山梨)
- 無印良品キャンプ場(新潟・群馬・岐阜)
アクセス方法チェック
気になるキャンプ場が見つかったら、アクセス方法を確認しましょう。
(主に北・南アルプスなど)国立公園内にあるキャンプ場は、マイカー規制をしている場所が多いため、駐車場やバスの時刻表を確認しましょう。
キャンプサイトの予約
キャンプ場の予約が必要か確認し、予約をしましょう。
予約と同時に、チェックインの時間や料金、設備(水場・食事・物販など)も確認しておきましょう。
ポイントと注意点
貴重品管理
キャンプ場は多くの人が行き来し、テントは鍵をかけられないので、貴重品管理は必須です。
少しテントを離れる場合は、貴重品は念のため持っていきましょう。
また、貴重品だけでなく、キャンプ用品やテントの泥棒もまれにいるようなので、テントを離れる際は中が見えないように、しっかりと戸締りしておきましょう。
マナー
キャンプ・登山ブームの中、マナーを守れていない人もいます。
- チェックイン時間は守る
- 特に20時以降は静かに
- ゴミは持ち帰る(ゴミ箱がない場合)
特に、山では日が落ちるのが早いです。
山中のテント場利用の場合、遅くとも15時には到着できるように、余裕を持った登山計画をとりましょう。
また、山では早寝・早起きが基本です。
登山者がメインのキャンプ場は、20時には就寝し、日の出前に出発することも珍しくありません。
全員が気持ちよく利用できるように、節度を守った行動をとりましょう。
まとめ
本記事では、キャンプ初心者がまず揃えるべき道具と、キャンプのはじめ方・ノウハウを解説しました。
キャンプは、最初こそ不安でいっぱいですが、一度体験すれば楽しくてハマってしまいます。
自然や絶景に囲まれた中で過ごすひとときは、日常ではなかなか味わえません。
少しずつ慣れていって、調理道具や小物類を増やしていき、キャンプ上級者を目指しましょう!
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