こんにちは!
40kgを歩荷する、3,000m級の女性山小屋スタッフ、ゆかちょです。
先週(8月末)に、1泊2日で白馬三山をテント泊で縦走してきました!
大雪渓から登って行ったのですが、あまりの絶景&山小屋もよかったので、写真とともにレビューしたいと思います。
- 白馬三山の縦走のしかた
- 登山道・アクセス情報
- 白馬三山の絶景ポイント
- 白馬村のおすすめスポット
白馬へ登山に行こうと思っている方はもちろん、登山をやらない方でも、絶景写真やおすすめの観光スポットも掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください♪
- 某アルプス山小屋スタッフ
- 過去にボリビア最高峰(6,542m)エクアドル最高峰(6,263m)登頂
- 南米・ネパールのロングトレイル(2〜4週間)もソロ縦走するアウトドア女子
目次
白馬三山情報
白馬三山とは?
白馬三山とは、
- 白馬岳(しろうまだけ)2,932m
- 杓子岳(しゃくしだけ)2,812m
- 白馬鑓ヶ岳(はくばやりがたけ)2,903m
のことを言い、主峰である白馬岳は、日本百名山のひとつでもあります。
上写真の中央にある、尖った山から右手にむかって、白馬鑓・杓子・白馬岳です。
なお、写真の八方池へはロープウェイで行けるので、山登りをしないという方にもおすすめです。
ルート・行程
ルートは複数ありますが、今回は大雪渓のある猿倉登山口から登りました。
夏でもアイゼンがないと登れないので、必ずアイゼン(出来れば6本歯以上)を携行しましょう。
以下が、今回のわたしの登山行程です。
- 前夜:猿倉登山口で車中泊
- 1日目:猿倉→大雪渓→白馬岳→杓子岳→鑓ヶ岳→天狗山荘(テント泊)
- 2日目:天狗山荘→白馬鑓温泉→小日向のコル→猿倉
初日の行程は、標準タイムで9〜10時間なので、体力がある&いつもコースタイムが0.7〜0.8倍という方のみオススメ。
本来は2泊3日で周るようなコースなので、安全かつ楽しみながら山行するためにも、白馬山荘または頂上宿舎で1泊することをオススメします。
猿倉情報
駐車場はありますが、公共交通機関でくる方は路線バスかタクシー利用でのアクセスになります。
登山口には「猿倉山荘」があり、トイレ・売店・食堂を利用することができます。
日の出前(5:00)でも売店を利用させていただけました。
また、アイゼンを忘れてきてしまった方も、¥1,200(内デポジット¥300)軽アイゼンをレンタルできます。
ただし4本歯の軽アイゼンですので、事故を防ぐためにも、自身でより頑丈なアイゼンを持ち込むようにしましょう。
登山道状況
大雪渓
夏山でも、アイゼンは必須になります。
わたしが行った2022年8月末は、標高1,700m〜2,000m地点が雪渓歩きでした。
2,000m地点までいくと、雪渓の途中から秋道にでることができ、アイゼンも取り外せます。
夏はクレバス(雪上の大きな割れ目)が増えてきて、遠くからは気付きにくい小さなクレバスも点在しています。
「気付いたらクレバスに挟まれていた」ということのないように、必ず登山路にあるピンクのリボンに従って進みましょう。
また夏は、雪が溶けて凍ってを繰返すため、前日の天候や登る時間帯によっては、雪面が氷状になっていることもあります。
軽アイゼンでは滑落の危険性が高まります(滑落してクレバスに落ちれば、重症または死亡します)。
どんなに天気が良くても、常に正しい状況判断をし、安全のために引き返すということも考慮しておきましょう。
水場
白馬はところどころに雪渓があるため、沢を通るルートであれば、ほぼ飲み水に困ることはありません(生水に抵抗がない場合)。
特にテント泊・縦走となると、荷物も嵩張り重くなってしまいがち。
水がいつでも確保できる=その分軽量化できるのは嬉しいですよね。
登山道
大雪渓以外は、初心者でも安心して歩けるような、きれいに整備された登山道でした。
ただし、白馬鑓温泉〜猿倉までは、ところどころ鎖場があり、雨のあとはかなり滑りやすくなっています。
大雪渓はもちろん、岩場・鎖場も滑落しないよう、気を抜かずに一歩一歩のぼるようにしましょう。
絶景スポット
ではここで、このルートのハイライトをご紹介します。
大雪渓
まず、なんと言っても大雪渓ですね。
「白馬の大雪渓歩き」に憧れをいだく登山者は多く、ハイシーズンは多くの登山客で賑わいます(大雪渓に行列ができます)。
わたしは大雪渓にこだわりはなかったのですが、いざ雪上歩きをしたら楽しくて。一人で「わーい」って喜んでました(笑)
大雪渓は初心者の方でも気軽にチャレンジできますが、アイゼンを使ったことがない人は、必ずガイドもしくは登山に精通した人と行くようにしましょう。
白馬岳の大パノラマ
大雪渓を登りきり、稜線まで出たらそこは大パノラマ。
白馬連山・立山・妙高・北〜南アルプス・八ヶ岳・日本海が一望できます。
特に、劔岳(上写真の右奥)の凛々しくどっしりとした姿は圧巻です。
劔かっこよくて大好きなんです〜!惚れ惚れしちゃう。
劔岳と稜線歩き
このルートの1番の醍醐味がこれ!
なんと、劔岳をずっと右手に拝みながら稜線歩きができるんです。
イケメン劔にずっと見守られながら歩けるという、この贅沢よ…
ただでさえ気持ちのいい稜線歩きなのに、周りを見渡せばそこには北アルプス・立山連山の絶景が。
ぜひとも、最高の天気の日を狙いたいものです。
カール地形
雪渓で有名な白馬連山には、美しいカール地形(長い年月をかけて氷河が造り出した地形)がところどころにあります。
特に夏は、草花の緑と雪渓の白のコントラストが素晴らしく、その美しさに何度も写真を撮ってしまいます。
お花畑
「天空のお花畑」で有名な白馬。
そうと知ってはいたのですが、想像していた何十倍もお花が咲いていてびっくりしました。
いったい何十種類あるんですか?!というくらい、写真を撮っても撮ってもキリがないほど、そこら中でお花が咲き乱れていました。
お花の種類も、花の量も圧倒的。
有名どころの高山植物から、ちょっと珍しいものまで、どれも可愛くて足を止めてしまいます。
キリがないということで、高山植物の紹介は割愛させていただきますが、気になる方はこちらのブログが詳細を載せていらっしゃるので、参考にしてみてください。
白馬鑓温泉
天狗山荘から猿倉の間にある、白馬鑓温泉。
泉質がよく絶景が望めるということで、温泉を目当てにくる登山客も少なくありません。
日帰り湯は¥1,000(’22年8月現在)で、足湯は無料で利用することができます。
ただ1つ残念な点として、こちらの温泉、混浴なんです。
20:00〜21:00は女性限定で開放しているそうですが、もう日が落ちているので、景色はあまり望めません(涙)
なので、日中入りたい女性の方は、水着の持参をオススメします。
天狗山荘
山小屋情報
今回は、白馬鑓ヶ岳から40分ほどの稜線にある、天狗山荘さんに宿泊しました。
天狗山荘さんは、3年ほど前の大雪で倒壊してから、新たに建て直された小屋。
「味のある山小屋」が謳い文句らしく、ところどころ旧山小屋の木材(梁・柱・釘など)が使われています。
常に雪解け水が湧いており、飲み水に困ることはありません。
売店では生ビールはもちろん、山荘オリジナルの日本酒「天狗山荘」を購入することができます(クセがなく美味しかったですよ!)。
テント場情報
予約必須(白馬全域)で、予約なしだとプラス¥2,000チャージされるので注意が必要。
わたしは前日に電話しましたが、問題なく予約できました。
2022年8月現在で、料金ひとり¥3,000(大人¥2,000+テント1張¥1,000)とかなり高騰しています。
高いですが、コロナ禍で山の事情も大きく変わってしまったので、山小屋を応援すると思って支払いましょう!
ご主人がツワモノ
山小屋はどこも、面白い人間が集まっていることが多いのですが、こちらの管理人さんもなかなかのツワモノ。
まだ30代前半とお若いのですが、今までに12箇所もの山小屋で働いてきたそうです。
山が好きすぎて、山に囲まれて自然の中を歩いていたら、それだけで幸せだとか。
ちなみにコースタイムは、標準の0.3〜0.4倍で、ヘロヘロに疲れている状態でも0.5倍とのこと(笑)
例年わたしが働く山域でもむかし働いていたらしく、共通の知りあいばかりだったので、お酒をご馳走になりました。ありがとうございました!
天狗山荘は、他の白馬の山小屋よりも混雑しにくく、比較的静かに過ごすことができます。
人混みが苦手な方はもちろん、管理人さんの話を聞いてみたいという方は、ぜひ利用してみてくださいね。
白馬オススメスポット
日帰り温泉
白馬村にはたくさんの良質な温泉がありますが、中でもオススメなのが倉下の湯。
塩分・鉄分を多く含んだ湯を、白馬連峰を拝みながら、源泉100%掛け流しで堪能することができます。
料金は、大人600円(2022年8月現在)で、多くの地元民に愛されている穴場。
お湯も「ずっと浸かっていられる温度」で、登山の疲れも一気にとれること間違いなしです。
おやき村
白馬村から大町方面へ、車を走らせること約40分。
隣村の里山の中にポツンとあるのが、おやき村です。
囲炉裏で焼いたアツアツのおやきを食べることができます。
もちろん持ち帰りもできるので、ちょっとした手土産や、帰り道のおやつにオススメ。
毎回フレンドリーなおじいちゃんやおばあちゃんが焼いていて、居るだけで癒されます。笑
また店内には小さな食堂もあり、信州の本格おそばを食べることもできます(美味しいです!)
白馬に車でお越しの方は、ぜひおやき村に遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
Hakuba Brewing Co.
白馬のクラフトビールを作っている、Hakuba Brewing Company。
醸造所にはパブが隣接しており、スキーシーズンになると店内の9割以上はオーストラリア・ニュージーランド人で賑わい、まるで海外のよう。
絶品クラフトビールがドラフト(生)でいただけるのですが、残念ながらパブは冬季(スキーシーズン)しか営業していません。
しかし、心配ご無用。
白馬村のA-COOP(スーパー)では、(在庫があれば)各種瓶ビールで購入出来ます。
登山のシメに、絶品本格ビールで乾杯してみては?
まとめ
春の雪渓歩き、夏のお花畑、秋の紅葉、冬のウィンタースポーツ等、どの季節をとっても楽しませてくれる白馬連山。
登山でなくても、ロープウェイを使って気軽に絶景スポットに行き、大自然に囲まれながら温泉やグルメを楽しむことができます。
皆さんもぜひ、魅力がいっぱい詰まった白馬へ訪れてみてくださいね!
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